チーピンの真の原因と生涯最高のアイアン

執行役員Nさん達と米原GC。51/47の98。スコア的にはダメだが大健闘ということにしておく。
2番par5、復活したドライバのチーピンで池の脇から打った3打目、グリーン手前の池に届かないよう6Iで軽く打った球が、もの凄い勢いで伸びて直接池へ。考えていたことは、しっかり右に乗って伸び上がらないトップから、脱力したままゆっくり左膝に向けて下ろす。手応え、飛距離、球筋、どれもあり得ない生涯最高のアイアンショットだった。練習場ではある程度できるようになっていた打ち方だったし、その後のラウンド中もその打ち方で概ねうまくいっていたものの、この1打だけが飛び抜けて良い当たりだった。これは、打った場所が池のスロープでかなり前上がりだったことに関係しているのではないか? 前上がりのため、ボールの位置は通常よりもだいぶ高い位置にあった。そのためにボールと手が理想的な位置関係になったのだとたら、通常のライではまだ手元を下げきれていない、もっと下ろした方が良いはず、ということになる。実際、左膝に向けて下ろしている時の動画を見ても、今までに比べれば手元はかなり下がってはいるものの、アドレス時の手元位置に戻るのが理想だとするならば、それにはほど遠い。今までの手元位置(A)、理想(B)、現在(C)とするならば(C)は(A)と(B)の中間よりも(A)寄り1/3といったところ。
ドライバは、朝の練習では問題無し、本番ではいきなりチーピン復活。それ自体は今まで何度もあったことだが、一度出始めたチーピンをラウンド中に完全に修正できたのは初めて。練習場でチーピンが出る時にやるべきことは、

  • (A)クラブが外から入らないように、ダウンで腕を体から離さない
  • (B)インパクトで腕を伸ばす
  • (C)(A)と(B)を同時にやろうとした時に開いていると押し出す感じになるので、開かないように我慢

くらいに集約されているのだが、手元を浮かさず、腕とシャフトはくの字になるのが正しい、ということを踏まえて、今回のラウンド中に気づいたのは、本番では

  • 練習場とは比べ物にならないくらい飛ばしたい気持ちが強いので(A)は難しい
  • 練習場とは比べ物にならないくらいボールに当てたい気持ちが強いので、(B)も難しい

ということ。そして、この「ボールに当てたい気持ち」こそが、ずっと苦しんできたチーピンの真の原因だろうということに気づいた。
ボールに近づいてしまう、打ちに行くことが原因の一つだろうということには、経験上なんとなくではあるが気づいていた。ボールに近づく原因は

  • トップでのリバースピボット(上から打ち込みたい気持ちから起こるのでドライバではあまり無い)
  • ダウンでの左へのスエー(飛ばしたい気持ち?)
  • ダウンでの頭の沈み込み(ボールに当てたい、良く見たい)
  • 右腰が前へ出る

あたりと思われ、実際に練習場ではボールに近づき過ぎと思われる現象が、ヒール、シャンクとしてそれなりの頻度で現れる。ところが、本番ではこれらはここ数年出たことが無い。それは何故か。練習場とは比べ物にならないくらいボールに当てたい気持ちが強いので、手先で調整しているのではないか? ボールが近すぎる時に、手先で調整する方法としては、

  • 腕を曲げて縮める
  • ヘッドを遅らせる
  • ヘッドを先行させる

のいずれかになる。この「手先でヘッドを先行させる」、つまり手首でこねる動きが、自分のチーピンの正体なのだ。野球ならひっかけショートゴロ、ゲッツー、ゴルフではキャスティングと言うらしい。
いや、正体がキャスティングだということは、ずいぶん前から気づいていた。しかしそれが何故起こるのか、練習場では治ったと思っていても本番で出るのが何故なのか全くわからなかった。今回のラウンド中に、それが「当てたい気持ち」にあり、その動作がダウンで降りてくるヘッドとボールが近すぎると認識することによって起こる、ということに思い至った時、ダウンでヘッドをどう下ろしてくるべきかということが初めて実感として理解できた。ヘッドが降りてくる軌道は、特に意識せずとも否応なく意識しているわけで、このままいくとうまくボールに当たりそうかどうかを逐次判断している。その判断に基づいて正しい軌道を外れた場合は微調整がインパクトまで絶え間なく繰り返されているはずだ。ダウンが速過ぎると、正しい軌道から大きく外れやすくなり、その微調整が間に合わなくなる。その時の緊急発動がキャスティングなのだろう。つまり、ダウンは制御可能な適正なスピードで下ろしてくる必要がある。その適正なスピードが自由落下であり、正しい軌道を外れないようにする最も有効な方法が「クラブの行きたい方向に任せる」ことであり、すなわちクラブの遠心力と手の向心力を拮抗させることだ。