JR西日本脱線事故

あの忌まわしい事故から5日。TBSのブロードキャスタが取材した被害者の言葉。「1分や2分、ごめんなさいでいいじゃないですか」訳知り顔のキャスターやコメンテータたちは、一様に「ほんとですよねー」。家族を失った被害者の遺族がそれを言うのは良い。しかし、この事件を対岸の火事としている立場の人間として、その発言は無責任であり、何の解決にもならないのではないか?バブル崩壊以後、10年以上にわたって一進一退を続ける中で、どこの業界も合理化によるコスト削減が限界に来ているのだ。JR西日本にとって、その1分や2分は顧客獲得のための生命線だったのだ。1分や2分を守るための努力の方向はどうやら間違っていたらしいが、それに社運を賭けなければならない社会を作ったのは我々ではないのか?乗っていた電車が2分遅れたために、予定していた乗り継ぎが出来なかったとき、そのせいで商談に遅れたとき、「安全のためなら仕方ない」と本当に言えるのか?